月のような人。

会場で僕を待っていたのは、とても懐かしい人だった。
僕がデザイン事務所をやっていたときに経理をやってくれていた彼女は
いつ頃からか、僕のことを「亀ちゃん」と呼ぶようになった。

それは僕がデザインをやめて
絵描きになりたいと言い出した頃だったような気がする。

普通に考えれば、会社の社長がそんなことを言い出したら
止めるか怒るのが普通なのに、彼女は覚悟しているかのようにこう言った。

「亀ちゃんの好きなようにやってください。」

普段はおとなしく、控えめで、決して人の前に出ようとはしない人だったが
僕が仕事上で無茶しようとすると、必ずブレーキをかけてくれた。


無茶な弟をいさめる姉のように。


でも、その時は一切反対をせずに、僕を自由にさせてくれた。
今、僕が絵描きでいられるのは少なからず彼女のおかげだと思っている。



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5冊のアルバムを丁寧に見渡し、彼女は太陽と海を描いたスケッチを買ってくれた。
帰り際に握手した手は、当時よりも華奢で細い感じがした。



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帰りにぼんやりと海を照らす月をみた。
青い光が、なんだか、心に染みた。
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Commented by スターphoto at 2008-08-21 01:22 x
亀山さん、ご無沙汰です。22日午後2時過ぎ頃伊東屋に伺えると思います。久々の銀座スナップもしてみようと思っています。
Commented by かめやま at 2008-08-24 09:05 x
>スターphotoさん
先日はありがとうございました。
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by tortoiseroom | 2008-08-20 02:04 | 絵描きの言葉 | Comments(2)

画家・亀山和明・鎌倉七里ガ浜を描いています。


by tortoiseroom
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